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つれづれ漫画語り「ヨコハマ買い出し紀行」

このブログも"漫画部"なんてタイトルを付けているので、漫画の紹介くらいは定期的にやっていこうと思う。
まずは自分の大好きな漫画から、勝手ながら紹介していきたい。
今回紹介する漫画は、芦奈野ひとし先生著作の『ヨコハマ買い出し紀行』である。

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概要

ヨコハマ買い出し紀行』は、月刊アフタヌーン講談社)において1994年から2006年まで連載された作品である。作者にとってはこの作品がデビュー作でもある。
同誌1994年6月号に読み切りとして第0話が掲載され、本作品が同年春のアフタヌーン四季賞を受賞し、続いて9月号に続編が掲載され、同年12月号から連載がスタートした。
全140話。物語全体を通して、穏やかな独特の世界を描いていく。
また、ラジオドラマが椎名へきるのラジオ番組で放送され(後にドラマCD化)、二度OVA版が制作されている。2007年には第38回星雲賞(コミック部門)を受賞した

あらすじ

現代より遥かに進んだテクノロジーが栄えた後、文明社会は急激に衰退しつつあった。
ロボット(アンドロイド?)の初瀬野アルファは海沿いでカフェアルファを営みながら、周辺の人々やほかのロボットたちとやさしくふれ合いながら時を過ごす。
十数年の時間経過を通じて子供たちが成長する過程と、人類が滅亡に向かう情景がおだやかに描かれる。
「お祭りのようだった世の中」がゆっくりと落ち着き、のちに「夕凪の時代」と呼ばれる近未来の日本を舞台に、主人公初瀬野アルファとその周囲の人々の織りなすゆったりとした時間を描いた作品。
作中の社会状況は、明言はされていないが、地球温暖化が進んで海面上昇が続き、産業が衰退して人口が激減し、人類の文明社会が徐々に衰退し滅びに向かっていることが示唆されている。
しかし、その世界に悲壮感はなく、人々はむしろ平穏に満ちた日々を暮らしている。
また、詳しくは語られない正体不明の存在も多く、そのまま作中の日常世界に溶け込んでいる。これらについては作中で真相が明かされることはなく、どう解釈するかは読者に任されている。
物語は、登場人物の私的な日常を軸に展開する。

この漫画の面白さ

今まで読んだ漫画の中で、おそらく1番に挙げてもいいほど癒された作品だ。
舞台は、文明社会が急激に衰退した近未来の日本。
主人公のアルファさんは小さな喫茶店を営み、平穏に日々を過ごす。
お店は西の岬にあり、立地的にあんまりお客さんが来ないので、臨時休業して近くを散歩したり、バイクで沢に水を汲みに行ったりと、マイペースに今日も1日を過ごす。
各話の内容は、アルファさんの日常メインだが、近所の子供の話だったり、旅人のおじさんの話だったり、ロボットの友達の話だったり、近所のじいさんの若い頃の話が急に始まったりと、こちらもなんともマイペースだ。
日々の生活に疲れを感じた時、この漫画を手にとってほしい。
とりあえずコーヒーでも飲んで落ち着いて、明日は少し遠出してリフレッシュするか。
そんな気分にさせてくれる作品だ。

芦奈野ひとし作品の魅力

ヨコハマ買い出し紀行、というか芦奈野ひとし作品の魅力の1つは、自然描写の美しさだと思う。
走る車も少ない道路に、自然豊かな描写。
衰退期に入りつつも、美しい世界を見守るように流れる時間や海鳴りの音。
水没したかつての街には、ノスタルジーにも似た感覚を覚える。
そんな退廃的な世界観を、芦奈野先生は見事なタッチで描いている。
この自然描写の美しさと癒しの作画は、この作者にしか出せない"味"だ。
気になった人はぜひ読んでみて欲しい。
また、芦奈野先生の作品を読むと、バイクでどこか旅へ出たくなる。
そしてその旅先で、カフェアルファみたいな喫茶店に出会えたら最高なんだろうな。

ちなみにアニメもある

1998年にOVAが作成されており、なぜかyoutubeにアップされている。
芦奈野作品の雰囲気を見事に描いている名作だ。